調査日時 平成２８年８月１５日午前
井藤一樹
各種郷土資料を見ても亀尾島地区には縄文遺跡は無いことになっている。亀尾島地区の知人に聞いても知らないという。しかし、今回の「郡上市のカイト地名と縄文遺跡」の研究過程において「カイト」地名の存在する地域にはほぼ確実に縄文遺跡がその数百メートル以内に存在するはずであることが判明している。亀尾島・向地区には「白山会津」、「歩岐会津」、「下会津」、「下礫会津」という４ヶ所のカイト地名があり、この付近に縄文遺跡が必ず存在すると目星を付けていた場所の一つである。白山神社付近は地形的にも縄文遺跡の立地条件が揃っている場所である。
盆休みで帰郷していた次男に話したところ、今から現地調査しようということになり、中一の孫娘（長男の子）と三人で調査に出かけた。
白山神社前に車を止めて神社境内を調査する。早速私が見つけたのが参道左側の一段高い場所に据えられている直径上部５０センチ、下部４０センチ、高さ５０センチ余ほどの大きな石棒のような石である。力石にしては大きすぎるし、真ん中より上部に一周するくぼみが彫られている。下部が少し地中に入っているが石棒であればかなり大型である。境内の参道を含めて半分くらいは玉砂利が敷かれており、地表面はでていないため、周辺の地表を探索したところ、打製石斧が数個と石鏃が３個見つかった。石鏃２個は孫娘の発見である。
やはりこの白山神社周辺は縄文遺跡である。神社周辺が「白山会津」であり、その２００メートル以内に他の３ヶ所の「カイト」があり、縄文遺跡と「カイト」地名の関連性が更に深まったと考えられる。ただ歩岐会津と下礫会津は亀尾島川の対岸であり、隣接する荒倉地区にも別の縄文遺跡がある可能性もある。向地区には１０戸余りの民家があり、神社周辺は田畑になっている。住民の中には石鏃などの石器の存在に気が付いている方も居られるのではなかろうか。
石棒についても古老に聞き取り調査を行う必要がある。
その後、白山神社隣の室屋さんに聞いたところ、付近から矢じり石が出ることは知っているとのことであり、それは昔そこに的場があったからであると言われた。その証拠に白山神社の前の参道付近は「的場」という小字であるとも言われた。調べてみると確かに「的場」という小字である。神社があるから流鏑馬神事等が行われた時代があったとも考えられるが、石器の矢じりを付けた矢を使う流鏑馬は聞いたこともないし、それ以外で的場を必要とする理由も思いつかない。単に矢じり石がたくさん出土したからこのあたりに弓矢の練習場（的場）があったにちがいない、ということで付けられた地名のようである。これがきっかけで奈良盆地や吉野地方に特に多い「的場」地名について調査した結果は全く意味が違うようである。この件については別途詳細を投稿したい。
付近には下大矢、桜畑、桜田等の縄文遺跡に付随する小字があり、ここに縄文集落があったことはほぼ間違いないと考えられる。
初めまして 地名に少し興味を持っています 会津 街津 とか各地にあるので 面白いと思っています 縄文と関連があるとは興味深いですね 縄文時代 こんな山奥で 郡上より更に山奥でも 塩分はどうやって摂取していたのでしょうかね？ありがとうございました 八幡町口明方住
縄文時代以前は特に塩は使用しなかったようです。狩猟採集を生業としていましたから、動物の内臓に蓄積されている有機塩や植物の芽などから自然に摂取出来たようです。元は土中の塩分なのでしょう。猪などはよく土を食べるそうです。日本で海水塩がさかんに作られるようになったのは弥生時代以降ですが、食生活と密接な関係があるのではないでしょうか。
ご返事ありがとうございます 地名と少しずれた コメントをしてすみませんでした🙇 確かに 熊にしても 塩分は身近な物から摂取しているのでしょうからネ 「吉田川の不思議」 川の名称は その地域名が普通だと思うのですが 那比なら那比川 大和方面は上保川【今は長良川】吉田川の出合いからは郡上川 吉田川は明方筋から明方川か 気良庄から気良川 でも良いと思うのですが なのに吉田川❗️ 吉田氏が相当強かったのか⁉️ 確かに美並迄吉田氏の範囲か 吉田庄と言われているので…ネ
その通りですね。吉田氏の本拠地は口明方の吉田で、大きな勢力を持っており、川の名前まで自分の姓にしたのです。京の都からの落人といわれています。ところで、このサイトをどこで知られたのでしょうか？よろしければ会員になって投稿していただけないでしょうか。
ありがとうございます 入会要項をお知らせ頂ければ幸いです 地名等に興味があり 滝日さんから お知らせ頂きました。